ゴミ屋敷の掃除において、ゴミを袋に詰める作業と同じくらい、あるいはそれ以上に困難なのが、その大量のゴミを「正しく処分する」というプロセスです。これを疎かにすると、ゴミ収集を拒否されたり、近隣トラブルに発展したりする可能性があるため、正しいやり方を理解しておくことが不可欠です。まず、掃除を始める前に必ず行わなければならないのが、「お住まいの自治体のゴミ出しルールの徹底的な確認」です。自治体のウェブサイトを見たり、役所に問い合わせたりして、可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミ(プラスチック、缶、ビン、ペットボトルなど)の分別方法、それぞれの収集日、一度に出せるゴミ袋の量などを正確に把握しましょう。分別作業を効率的に進めるコツは、作業スペースに「可燃」「不燃」「プラスチック」などとマジックで書いたゴミ袋を複数広げておくことです。ゴミを手に取ったら、迷わず該当する袋に入れていく。この単純作業の繰り返しが、着実にゴミを減らしていく唯一の方法です。特に厄介なのが「粗大ゴミ」の処分です。家具や布団、自転車などは、通常のゴミ収集では回収されません。自治体の粗大ゴミ受付センターに電話やインターネットで事前に申し込み、指定された手数料(シールや券で支払うことが多い)を支払い、指定された日時に指定場所に出す必要があります。申し込みから収集まで数週間かかることもあるため、粗大ゴミは早めにリストアップし、計画的に処分を進めましょう。また、テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機といった「家電リサイクル法対象品目」は、粗大ゴミとしても捨てられません。購入した販売店に引き取りを依頼するか、自治体が指定する引き取り場所に自分で持ち込むなど、法律で定められた方法で処分する必要があります。大量のゴミを正しく処分するのは、非常に根気のいる作業です。ルールを守り、一つずつ着実にクリアしていくこと。それが、社会的なトラブルを避け、確実に部屋をきれいにするための、責任ある大人のやり方なのです。
大量のゴミどうする?ゴミ屋敷の分別と処分のルール